水妖・北海道



一人でいるのに慣れたなら
 こんどは羊と
  遊んでみよう

羊はそのうち食べられて
 私はまた一人になる

もの思いする事自体は
 ぜんでもなければ あくでもない

     私は十六歳だけれど
     まだいとけない水妖で
     何も禁じられていないぶんだけ
     心はとても さびしい

秋が来るので
  みんな眠りにはいる
くるみを集めて
  りすのまねをしよう

水妖なのに りすのまね
  いっとき心がなごんでも
    それを伝えるひとがいない

     誰も教えてくれなかったうたを
      夕暮れどきにうたってみよう
     きっと森が聞くかもしれない



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(c) 1996-1997 Leea Nishino