アーアル・ララ
        −風葬編−



  わたくしの髪に 光の降る
    月の 陽の 光が降る

  レレの都に 青い星の降る
    ウレマイアの谷底に
      銀の水晶の 降る

  わたくしは混沌の娘である
    幼女の頃に
      男を愛さない事を
        誓わされた

   わたくしは
     手を断ち落とされ
   足を折り取られ
     舌を切り取られた
   男がわたくしを愛さないようにである

  かわりに天霊たちが
    わたくしを愛した

  わたくしの髪は
    羽毛にまみれた

  わたくしの屍は
    トロラアルの山頂に
      放置された

  わたくしはアーアルのララである



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