相聞歌(そうもんか)
―熱砂(ねっさ)の恋人―



地平這い行く 皓(しろ)い陽の
天の鎖に つながれて
さまよい歩く まなうらに
蒼(あお)い炎の 燃えさかる

地下に貴顕(きけん)の 果てもなき
眠りむさぼる 愛人の
屍衣に 縫い込む 宝石(いし)たちよ

広げる腕に 七彩の
幻惑の陽の 立ち上がる

喰い尽くしてゆく 獣たちの
あぎとに刻む 名前さえ
遠い時間に さらされて
読み分けるさえ 困難な
お前 いとしい その髪に
約束の日を 編みつける



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(c) 1996-2002 Leea Nishino